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眠たい、時間無い、なんて言いながらも、
今さらですが、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を読了しました。
この小説はミステリーと分類されているのかも知れませんが、
(事実、2009年版の「このミス」で1位になったりしてますよね。)
ぼくはこの作者の作品を、ミステリーとして読むのは、
ちょっと違うかなあと思っています。
「重力ピエロ」も「アヒルと鴨のコインロッカー」も、とても面白い小説ですが、
純粋なミステリーとは言えませんものね。
なので今回の小説でも(多少のネタばれになりますが)、
「結局、誰が(どの組織が)真犯人だったの?」
「最後あれで終わって、全然解決してないじゃん!」
なんていうことは、ぼくにとってはどうでもいい話なのです。
で、この「ゴールデンスランバー」なのですが、
伊坂作品で今回ほど切なくてやりきれない小説はありませんでした。
これってぼくだけなんでしょうか。
確かに面白かったし、ハラハラもドキドキもしました。
でもそれ以上に、
過去の記憶に救われながら、出会う人々に助けられながら、
不条理な理由から逃避行を続ける主人公に、
哀しさを感じてしまったのです。
人は、過去を通過して、今現在を生きています。
通り過ぎた時間は、記憶や思い出といった形で人の心や脳に残ります。
ただ、人は過去に生きることはできません。
苦しくても楽しくても、辛くてもつまらなくても、
現在を生きるしかないのです。
淡い恋愛や確かだった友情、
怠惰な学生生活や漠然としていた自分の将来。
そんな悲喜交々をひきずって、
結局、今を生きていく。
当たり前のことを当たり前に書きましたが、
今回、この小説で改めてそれを思い起こされました。
映画化もされましたし、実際、読者の評価も高いようです。
でもぼくは、『オーデュボンの祈り』とか『重力ピエロ』とか、
この作者の作品は、初期の方が好みなんだよなあ。
伊坂幸太郎
ゴールデンスランバー
2007年11月 新潮社
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交通事故治療に強い!!
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