伊藤計劃「虐殺器官」「ハーモニー」を読んで。(上)
今回は思いのほか長文です。
話は昨年夏、香港への家族旅行へと遡ります。
道中、飛行機に片道4時間ほど乗っておかなければならないわけですが、
やっぱり何かしてないとヒマなわけじゃないですか。
で、出発前、本屋に行きました。
あの時は、いい機会だからとりあえず読んどけ、
流行りものにはとりあえず乗っとけ、的なノリで、
百田尚樹の「永遠の0(ゼロ)」を買うつもりだったんですね。
現在映画も公開中の「永遠の0(ゼロ)」は評価が高い作品ですが、
半年前もとても人気がありました。
当時の本屋でも「永遠の0(ゼロ)」は、店の一番目立つところに、
平積みで塊のように売られていました。
さっさと買って帰ればその本を読んでたんでしょうね。
でも、実際に買ったのは、全く知らない作者の全然購入する予定が無かった本、
伊藤計劃(いとうけいかく)の「虐殺器官」でありました。
この装丁(文庫だったらデザイン?)にやられてしまったのであります。
どうですか、おどろおどろしいでしょ。
で、この本の帯の紹介文を書いた方々が、
伊坂幸太郎(作家)、小島秀夫(ゲームデザイナー)、宮部みゆき(作家)。
これだけでもすごいのに、宮部みゆき大先生にいたっては、
「私には、3回生まれ変わっても
こんなにすごいものは書けない。」
と、最大級の賛辞を送ってるんですよ。
これは買って読むべきでしょ!
というわけで、飛行機の中や香港のホテルの中で、
せっせと読書をしていたわけです。
皆さん、SFって好きですか?
日本のSF作家と言えば、星新一、小松左京、筒井康隆あたりは頭に浮かぶし、
実際ぼくは大学生時代に、筒井康隆は結構愛読していました。
でも、海外の作家なんてこれっぽっちも知らないし、
なによりこのおっさんの身(頭、か・・・)には、
SF特有の小難しいカタカナの羅列や、
突飛な舞台設定がすんなり入ってこないのです。
食わず嫌いならぬ、「昔、それなりに食ったからいいや」状態。
ここ十何年、SFなんて読む気も、読みもしていませんでした。
で、早速この本(バッチリSF)を読んでの感想ですが、
「理屈はいいから、これは読んどけ!」
です。
この作者、掛け値なしの天才!
表紙はサイコスリラーやホラーミステリーのようですが、
中身は繊細で確かな筆力で描かれた、
緊迫感にあふれ柔らかい恐怖が跋扈する「近い未来の物語」です。
壮大にして重厚な舞台設定、きちんと確立された登場人物、
推理小説のように巧妙なハウダニット・ホワイダニット、
静と動のバランスのとれたアクション、控えめながらも気の利いたジョーク、
淡くてかすかな恋模様、尾を引く読後感、etc…。
とにかく小説として面白いもの全部入ってる、
超ド級のSF作品だったのです。
そしてなんと、これがこの作者のデビュー作。
さらにこの小説、おおまかなストーリーは10日間で書いたんですってよ、奥さん!
例えるなら、プロ野球1年目の新卒ルーキーが開幕投手をやって、
なおかつ24連勝しちゃったうえに日本シリーズでMVP獲っちゃったぜ。
的な凄い快挙を軽々とやってのけた作品です。
事実、2007年に発表されたこの小説は、「ベストSF2007」国内篇第1位と、
「ゼロ年代SFベスト」国内篇第1位に輝いています。
ゼロ年代というのは、西暦2000年から2009年までの10年間、
下二桁に「0(ゼロ)」がつく年代ということです。
つまりその10年間におけるSFの頂点がこの作品なわけです。
どうです、読みたくなったでしょ。
で、ストーリーはどうなの?
なんで夏読んだ本を今さら紹介するのさ?
という疑問には、次回お答えします。
とりあえずはここまで、で、続く。
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